みなさま、こんにちは!
12月に入り一層寒さも厳しくなりましたね。
12月といえば、賞与の支給がある会社も多いですね。
経理担当者にとっては給与計算に賞与計算に年末調整にと大忙しかと思います。
今回は賞与計算の基本となる社会保険と源泉所得税の計算についてお話ししたいと思います。
毎月の給与同様に、賞与からも社会保険料・所得税を控除しなければなりませんが、賞与の社会保険料や所得税の計算方法は給与の社会保険料や所得税の計算方法とは異なるため注意が必要です。
ポイントをしっかり押さえ、正しく賞与計算をしましょう。
①賞与額の決定
②社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料・雇用保険料)を計算
③源泉所得税を計算
健康保険料は、賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた金額(標準賞与額)に保険料率を掛け合せます。
保険料率は保険料額表などで算出できますが、毎年改定される為必ず最新のものを確認しましょう。
・健康保険料=標準賞与額×保険料率
健康保険料は事業主と被保険者が折半して負担します。
(※健康保険組合等に加入の場合、保険料負担の割合が異る場合があります。)
いくつか種類がある健康保険のうち、「協会けんぽ」は一般的に中小企業が多く加入しています。
大企業の多くは、自社やグループ会社全体で健康保険組合を設立、加入しています。
協会けんぽは会社が適用を受けている都道府県によって保険料率が異なります。
加入している健康保険が異なる場合も含め、参照する保険料額表に間違いがないよう注意しましょう。
厚生年金保険料も健康保険料と同様に、賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた金額(標準賞与額)に厚生年金保険料率を掛け合せます。
厚生年金保険の保険料率は毎年改定されていましたが平成29年9月からは固定されています。
・厚生年金保険料=標準賞与額×厚生年金保険料率
厚生年金保険料は事業主と被保険者が折半して負担します。
介護保険料も健康保険料と同様に、賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた金額(標準賞与額)に介護保険料率を掛け合せます。
介護保険の保険料率は健康保険とともに毎年改定がされています。
・介護保険料=標準賞与額×介護保険料率
介護保険料は事業主と被保険者が折半して負担します。
雇用保険料は健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料と異なり端数の切り捨てをせず賞与額に保険料率を掛け合わせます。
業種によって、または事業主か被保険者かによって保険料率が異なります。
保険料率は毎年見直されているので必ず最新のものを参照しましょう。
・雇用保険料=標準賞与額×雇用保険料率
賞与の所得税の計算には
⑴扶養控除申告書提出の有無
⑵扶養人数
⑵前月に給与から社会保険料を差し引いた金額
の確認が必要です。
⑴~⑶をもとに「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」から源泉徴収額を求めます。
この表は国税局のウェブサイトに掲載されています。
扶養控除申告書を提出している場合は「甲欄」、提出していない場合は「乙欄」にあてはめます。
続いて扶養人数、前月の社会保険料控除後の給与額をあてはめ、賞与の金額に乗ずべき率を算出します。
賞与から社会保険料を差し引いた金額に表で求めた率をかけた金額が賞与の源泉徴収額です。
退職予定者の賞与計算は特に注意が必要です。
退職予定者に賞与を支給する場合、健康保険料や厚生年金保険料については、資格喪失の前月までに支給された賞与分までが控除の対象です。
健康保険・厚生年金保険・介護保険の資格喪失は退職日の翌日となるため、12月31日が退職日の場合には12月支給の賞与から健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料の控除が必要です。
仮に12月30日が退職日の場合は12月支給の賞与については保険料控除の対象にはならないため気をつけましょう。
いかがでしたか?
賞与計算は年に2回程度となる為、うっかり計算方法間違えてしまった、なんてことがないようにしっかりポイントを押さえておきたいですね!
前述した全ての計算をクラウド給与ソフトの活用で、正確かつ簡単に行う方法もあります。
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