みなさま、こんにちは!
急に寒くなりましたね。
寒暖差も激しいですが、体調を崩されていないでしょうか。
早速ですが今回は『所得税の予定納税』、『消費税・法人税の中間申告』についてお話させていただきます!
予定納税、中間申告は資金繰りにも大きく影響しますよね。
急な税金の支払いに慌ててしまうことの無いよう、制度について理解しておきましょう!
予定納税、中間申告は、一言で簡単に言うと「税金の前払い制度」です。
前年の納税額を基に、その年に納める予定となる税金の一部をあらかじめ納税します。
この制度は、全ての個人事業主・法人が対象ではありません。
一定の基準を超えた場合に、個人事業主は『所得税の予定納税』(消費税の中間申告義務が発生する場合もあります)、法人は『消費税・法人税の中間申告』の義務が発生します。
この制度の納税する側のメリットとしては、1年間で納税する金額を分割して支払うことができ、一回の納税額が下がる事により負担が減少するという点、徴収する側のメリットとしては、税金の収納リスクが軽減する点が挙げられるでしょう。
以下、予定納税、中間申告の対象となる基準です。
細かな計算方法や基準がありますが、今回は概ねの目安となる金額でご説明します。
前年の確定申告で所得税の納税額が15万円以上の場合
(前年の確定申告で消費税が48万円を超えた場合は消費税の中間申告義務も発生します。)
前事業年度の消費税の年税額が48万円(国税のみ、地方消費税を含まない)を超える場合
前事業年度の法人税の納税額が20万円を超える場合
(原則として、設立一年目や、NPO法人は対象となりません。)
まず、個人事業主の『所得税の予定納税』について解説します。
所得税は1月1日~12月31日を課税期間として、その年の終わりに納税金額が決定します。
所得税の予定納税は、前年の所得税納税額が15万円以上の場合に、今年も前年の所得があると仮定して、その年の納税額の一部を前払いする制度です。
つまり、前年の所得税納税額が15万円未満の場合は、原則予定納税の義務は発生しないということになります。
前年の確定申告で申告した所得税納税額の2/3の金額が予定納税額となります。
7月と11月に1年間で納税する予定の所得税の1/3ずつを前払いし、翌年3月の確定申告の際に確定した所得税額から予定納税で納めた金額を差し引き、残りの金額を納税します。
前年よりも売上が減少した、などの理由で、業績が悪化することもありますよね。
翌年3月に確定申告をした際、当該年度の所得税納税額よりも多く予定納税で納税している場合は、差額の還付を受けることができます。
5月15日の現況(前年の所得金額や税額等)によって予定納税基準額が算出され、6月15日までに税務署から通知が届きます。
通知を受け取った場合は原則として、上記の期間に予定納税を行う義務があります。
業績悪化や廃業などにより、当該年度の所得税見積額が予定納税基準額を下回る場合は予定納税の減額申請を行うことができます。
申請をせず納税をしなかった場合には、延滞税等のペナルティが発生してしまう場合がありますので、まずは減額申請の対象となるかを事前に調べ、期限までに申請を行うようにしましょう。
申請方法、対象については国税庁のHP『所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続』で確認できます。
その年6月30日までの所得金額と税額を見積もり、原則として7月15日までに第一期分及び、第二期分の減額申請を行う
その年の10月31日までの所得金額と税額を見積もり、原則として11月15日までに第二期分の減額申請を行う
消費税や法人税でも、所得税の予定納税同様に、その年の税額の一部をあらかじめ納税する制度があります。
これが『中間申告』、『中間納付』と呼ばれる制度です。
ではまず、『消費税の中間申告・中間納付』について解説します。
個人事業主も基準を上回る場合、消費税の中間申告が必要となりますが、ここでは法人の場合を例に解説させていただきます。
直前の課税期間(前事業年度)の消費税額が48万円(国税のみ、地方消費税を含まない)を超えた場合に、消費税中間申告・中間納付の義務が発生します。
消費税の中間申告の回数は、直前の課税期間の確定消費税納税額に応じて異なります。
原則、中間申告の必要なし
ただし、任意の中間申告制度あり
年1回
年3回
年11回
毎月中間申告を行い、年に一度確定申告を行う
例えば、12月決算の会社で年一回の中間申告義務がある場合、中間申告の対象期間は1月から6月となり、申告期限は8月末です。
つまり年一回の中間申告の場合は、その事業年度の開始から8か月後が申告期限ということですね。
同じく12月決算の会社で、年3回中間申告義務がある場合はどうでしょう。
1回目の中間申告の対象期間は、1月から3月、申告期限は5月末になります。
2回目の中間申告の対象期間は、4月から6月、申告期限は8月末になります。
3回目の中間申告の対象期間は、7月から9月、申告期限は11月末になります。
上記のように、該当回数で中間申告・中間納付を行い、最終的に確定申告(決算)で確定した消費税額から中間納付した消費税額を差し引き、残りの消費税を確定申告後(2か月以内に)、納税するということになります。
所得税同様、中間申告・中間納付で消費税を納め過ぎた場合には、確定申告(決算)で調整され、還付されます。
消費税の中間納付額の算出方法は『予定申告方式』と『仮決算方式』の2種類があります。
※どちらの方法の場合も中間納付額は消費税(国税)だけではなく、地方消費税を含みます。
前事業年度の消費税額をもとに、月割計算により中間納付額を算定する方法です。
納税者のもとに税務署から中間納付額が記載された納付書が届き、その金額を納付するという流れになるので、申告書作成の手間や申告にかかる費用(税理士報酬等)を抑えることができます。
中間申告の対象期間を1事業年度とみなし、仮決算を行い、中間納付消費税額を算出する方法です。
例えば12月決算、中間申告義務が1回の会社の場合は、1~6月の期間を対象に仮決算を行い、8月末までに中間申告・中間納付を行うという流れになります。
前事業年度よりも業績が悪化した場合などには、この仮決算方式で中間申告を行うことで当該年度の業績に合わせて、中間納付消費税額を算定できますので、中間納付の負担を減少させることができます。
『予定申告方式』、『仮決算方式』のどちらの方法を選んだ場合も、最終的に確定申告(決算)で精算されますが、資金繰りが苦しいというような場合は『仮決算方式』で中間申告・中間納付を行う方がよいかもしれません。
ただし、仮決算を行うためには、手間と、外部に委託する場合は税理士報酬等の費用もかかってしまいます。
自社の状況に合わせて、早い段階でどちらの方法で行うかを検討することも大切ですね。
法人税についても『中間申告』、『中間納付』の制度があります。
法人税の中間申告・中間納付義務の発生する基準、前事業年度の法人税納付額が20万円を超えた場合です。
事業年度の始まりから6か月経過地点を「中間」とし、中間時点までの法人税を先に納付するというものです。
法人税の中間申告・中間納付は消費税のように、前事業年度の法人税納税額に応じた回数設定はなく、事業年度の中間時点で一度法人税を納付する、ということですね。
消費税同様に法人税の中間申告には、『予定申告方式』、『仮決算方式』があります。
前事業年度、当該年度の業績や会社の状況に合わせて、選ぶことができます。
仮決算方式による中間申告を期限内に行わなかった場合には、予定申告方式を選んだ、とういうことになり後に変更することは基本的にできないので注意が必要です。
いかがでしたか?
事業を営む者にとって切り離せない税金ですが、納付書が届いてびっくり!
資金繰りが苦しい中納税しなければならない、、、というようなことがないように、納税のスケジュールや各種手続きや制度について理解を深めていきたいですね!
税金の種類にはよりますが、納税方法には「金融機関や税務署の窓口での納付」「ATMやインターネットバンキングでの納付」「e-Taxのダイレクト納付」「クレジットカードでの納付」「ペイジーによる支払」など様々な方法があります。
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