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専門家更新コラム

2022.03.04
消費税の仕組みからインボイス制度まで、わかりやすく解説!

みなさま、こんにちは!
3月に入り寒さが和らぎ、少しずつ春の訪れを感じられる今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

早速ですが、今回は最近耳にすることが増えた『インボイス制度』について、消費税の仕組みを踏まえて、分かりやすく解説したいと思います!

消費税とは

消費税とはその名の通り、モノやサービスの消費にかかる税金です。
私たちにとって最も身近な税金とも言えますね。
消費税は消費者が負担し、事業者は消費者から預かった消費税を国と地方に納めます。

消費税のかかる取引とは?

原則として以下4つを全て満たした場合、消費税の課税対象となります。
①国内取引であること
②事業者が事業として行う取引であること
③対価を得て行う取引であること
④資産の譲渡・貸付等もしくは特定課税仕入であること

たとえば、近所のスーパーでパンを買うとします。
この時消費者は消費税をお店に払いますよね。
上記に当てはめて考えると
①国内で②商売を行う者(店)が③商品代金を得て④パンを売る。と4要件を満たす取引となり、消費税課税取引となります。

非課税取引とは?

4要件を満たしていても消費税を課すことに馴染まないものや社会政策的な配慮から消費税を課さない取引が非課税取引です。

①消費税を課すことに馴染まないもの

土地の譲渡・貸付、保険料、郵便切手・印紙、行政手数料etc

②政策的な配慮によるもの

身体障害者用物品、学校の授業料・入学金、住宅の貸付etc

※輸入は原則課税の対象となります。
輸入消費税の計算方法は、税額の基礎となる消費税課税標準額に税率をかけて算出します。
輸出に関しては、消費されるのが海外ということで輸出免税(0%課税)となります。

消費税の納税額計算

消費税の納付額は以下のように算出されます。
『預かった消費税』ー『支払った消費税』=『消費税の納税額』

このように、預かった消費税から支払った消費税を控除することを『仕入税額控除』と言います。

例えば小売店が卸業者からTシャツを100円(税込110円)で仕入れ、消費者に200円(税込220円)で販売するとします。
この時の小売店の消費税納税額は20円(預かった消費税)ー10円(支払った消費税)=10円(消費税納税額)となります。

課税事業者?免税事業者?

さて、そもそも消費税は全ての事業者が納税しなければならないのでしょうか。
そうではありません。
前々年度の課税売上高が1000万円以下であるなどの要件を満たした場合は、該当年、消費税納税義務がありません。
様々なルールはありますが、原則このように基準となる期間(前々年度)の課税売上高によって今年、課税事業となるか免税事業者となるかが決まるというわけです。

免税事業者の場合は、前述した仕入れ税額控除後の金額を納税しなくて良いため、『預かった消費税』ー『支払った消費税』=益税となります。

ここまでが消費税の仕組みのご説明となります。
ここから、上記を踏まえて『インボイス制度』についてお話したいと思います。

インボイス制度って?

令和5年10月1日〜スタートする新制度です。
登録申請は令和3年10月1日から既にスタートしています。

インボイス制度は別名『適格請求書等保存方式』とも言います。
簡単にこの制度の概要を説明すると、

『仕入税額控除』をしたいのであれば、“適格請求書”等を入手し保管しなければいけないということです。

適格請求書とは?

以下の6つが記載されている請求書です。

①氏名・登録番号
②取引年月日
③取引内容
④税率ごとの対価の額
⑤消費税額
⑥取引先

②〜⑥については、仕入税額控除するのであればこれまでも記載の必要がありました。
①の『登録番号』を取得するための登録申請をしなければならないということが今回の制度の大きな論点となります。
なぜかというと、、、
この登録申請は、『課税事業者』しかできず、『免税事業者』は登録申請できないのです。
登録申請ができないということは、適格請求書が交付できないということになり、取引先が課税事業者である場合、取引先は仕入税額控除ができなくなってしまいます。
取引先の規模や仕入金額等にもよりますが、これまでできていた仕入税額控除ができないということは、通常で考えると避けたいですよね。
もちろん取引先との関係性によりますが、課税事業者から仕入ることを考える、というケースもあるかもしれません。

経過措置について

制度開始後6年は免税事業者からの仕入れについても、一定額を仕入税額控除できる措置が設けられています。

・新制度開始後3年間→仕入税額控除額×80%の控除措置
・新制度開始後3年間経過後からの3年間→仕入税額控除額×50%の控除措置

免税事業者である場合、どのような対応が考えられる?

前々年度の課税売上高が1000万円以下であっても課税事業者になることはできます。
しかし、そうすると必然的に消費税を納めなければなりません。

取引先に「仕入税額控除ができなくても、あなたのところから仕入たい」と思ってもらえるような関係性を保つことも対策の一つかもしれません。

取引先からどのような要望がありそうか、自社にはどのような影響が考えられるか。
令和5年10月から新制度スタートということでまだ、時間的猶予はあるのでインボイス制度について、理解を深め、会社に合った対応を検討していくことが大切ですね。


いかがでしたでしょうか?
今回は消費税の仕組みやインボイス制度の概要についてお話しました。
分かりやくすくお伝えする為に細かなルール等省略いている部分もございますが、ご参考にしていただければと思います。

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この記事を監修した専門家
濱崎税理士事務所/経理サポート株式会社 代表税理士/代表取締役 濱崎 幸将
保有資格税理士(登録番号126403)
専門分野税務・会計コンサルティング、経理業務の改善
経歴税理士事務所で6年の勤務経験を経て、資格取得後、30歳で税理士事務所を開業。
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